2012年10月31日

ウィズ・メディアからイン・メディアへ


パソコンによるインターネットから、携帯電話、そしてスマートフォンとより容易に持ち運びが出来て、そして、持ち運べるものがより高性能(=高機能にできる)となってきました。あと10年も待たずに、持ち歩いている携帯端末で、その場にいる人の顔認識をして、その人に関する情報をネットや自分の過去の行動履歴から引っ張りだしてきて表示するなんていうことも可能になるでしょう。

これまで携帯電話では、よくニュースを見たり野球の途中経過をチェックしたりといったことをしていましたが、最近スマートフォンではソーシャルゲームやソーシャルネットワーク(ツイッターやフェイスブック)といったことをしている人が増えてきました。

つまり、以前はウェズ・メディア(with media、メディアを携帯する)だったのが、最近はイン・メディア(in media、メディアの中に入る)になってきたのです。自己啓発書界隈では、パーソナルブランディングやセルフブランディングといったものがここ4,5年前から流行ってきています。これはまさに、自分がメディアの中に入ってきたために起こっている状況です。


この「ワタシがニュースになる」とでも言うべきイン・メディアの流れは思想の流れとも一致しています。昔は、世界があってそれを私が見ていたのですが、近代においては私が見るから世界が在るという考え方に変わって来ました(デカルトからカントにかけての観念論的世界観) このワタシ中心主義とも言うべき観念論的世界観というのは、「夢は必ず実現できる」や「努力は必ず叶う」といったワタシ万能主義的なニューエイジ的自己啓発ブームとして日本に根付きつつある考え方の根本でもあります。

世界の見方.jpg

これまでの「ニュースを見る」というウィズ・メディアから「ニュースになる」というイン・メディアへの移行は、興味の主体が世界から自分へ移ってきている流れそのものと重なって見えます。ソーシャルネットワークが流行している理由も、この「ワタシ主義」のニューエイジ思想の延長上にあるというわけですね。

posted by やまざきしんじ at 11:10| Comment(0) | メモ
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